パラバドミントンとは

パラバドミントンは、障がいのある選手が行うバドミントンで、2020年の東京大会からパラリンピックの正式競技に採用されました(日本パラスポーツ協会「パラバドミントン」)。使うラケットとシャトルは一般のバドミントンと同じもので、ネットの高さも同じです。競技はシングルスとダブルスの両方が行われます。

一般のバドミントンとの最大の違いは、障がいの種類や程度に応じて選手を分ける「スポーツクラス」という仕組みがあることです。公平に競い合えるよう、身体の状態が近い選手どうしで対戦できるようにしています。

6つのスポーツクラス

世界バドミントン連盟(BWF)のパラバドミントン競技規程では、選手は6つのスポーツクラスに分類されます。大きく、車いすを使う「車いすクラス(WH=Wheelchair)」と、立ってプレーする「立位クラス(SL=Standing Lower、SU=Standing Upper、SH=Short Stature)」に分かれます。

クラス 分類 対象の目安
WH1 車いす 下肢に障がいがあり車いすを使用。体幹の機能などにより影響が大きい重度側
WH2 車いす 車いすを使用するが、WH1より影響が小さい側
SL3 立位・下肢 膝上の切断やまひなどで、体幹のバランスへの影響が比較的大きい下肢障がい
SL4 立位・下肢 SL3より影響が小さい下肢障がい
SU5 立位・上肢 片方の上肢の切断など、ラケットを持つ側または反対側の上肢に障がい
SH6 立位・低身長 低身長症

各クラスがどの障がいを対象とするかの医学的な基準は、BWFのクラス分け規程(Classification Regulations)で定められており、実際のクラスは資格を持つ分類員(クラシファイア)が判定します。上の表はあくまで目安として、日本パラスポーツ協会の競技ガイドと日本パラバドミントン連盟の説明をもとに整理したものです。

クラスの略号は改められている

低身長のクラスは、現在はSH6と表記されます(日本パラスポーツ協会の競技ガイド、東京2020・パリ2024パラリンピックの実施種目でもこの表記)。BWFの2018年の競技規程など古い資料では「SS6」と書かれていることがありますが、これは旧い表記です。ネット上には古い略号のまま残っている解説も見られるため、現行の表記で確認するのが確実です。

クラスによってコートの使い方が変わる

パラバドミントンのシングルスでクラスによって変わるコートの範囲(WH1・SL3は縦半分)
WH1・SL3のシングルスはコートの縦半分だけを使い、ネットとショートサービスラインの間に落ちるとアウト。WH2・SL4・SU5・SH6は通常サイズのコート(日本パラスポーツ協会の競技ガイド)

パラバドミントンで特徴的なのは、クラスによって使うコートの範囲が変わることです。日本パラスポーツ協会の競技ガイドによれば、車いすや下肢障がいの影響が大きいクラスでは、シングルスでコートの一部だけを使います。

  • WH1・SL3のシングルス: コートの半分(縦半分)だけを使い、さらにネットとショートサービスラインの間にシャトルが落ちるとアウトになります。前に動きにくい選手どうしが、無理なく打ち合えるようにするための調整です。
  • WH2・SL4・SU5・SH6のシングルス: 通常サイズのコートを使います。

コートのどの線がどこを指すのか、ショートサービスラインの位置などはコートの各部の名称とラインの見方で確認できます。ダブルスの組み合わせや細かいルールはBWFの競技規程で定められており、車いすと立位で別々に行われます。

用具・ネットは一般と共通

前述のとおり、ラケット・シャトル・ネットの高さは一般のバドミントンと同じ規格です。したがって、用具そのものの選び方は一般のバドミントンと共通で考えられます。ラケットの重さの記号はU規格、グリップの太さはG規格、ガットの張りの強さはテンションとして整理しています。コートやネットの正式な寸法はコート・ネットの公式規格を参照してください。

パラバドミントンのより詳しいルールや大会情報は、競技団体である日本パラバドミントン連盟の公式サイトが一次情報の入口になります。一般のバドミントンの始め方とあわせて知りたい場合はバドミントンの始め方 完全ガイドもご覧ください。