グリップは最初に覚えるところ
ラケットの握り方(グリップ)は、バドミントンで最初に身につける基礎です。世界バドミントン連盟(BWF)が世界の学校向けに提供する公式教育プログラムBWF Shuttle Timeでも、指導の順番はグリップから始まり、そのあとにフットワークやショットへ進む構成になっています(BWF Shuttle Time「Activity of the Month」)。握り方が固まっていないと、同じ動きをしてもシャトルの飛び方が安定しません。
この記事では、初心者がまず知っておきたい基本のグリップと、握り替え(グリップチェンジ)の考え方を整理します。打ち方そのものはラケットの基本の振り方、ショットの呼び名は主なショットの名前で扱っています。
基本のグリップ(フォアハンドのV字グリップ)
もっとも基本になるのが、フォアハンド側で使うグリップです。BWF Shuttle Timeでは、これを V字グリップ(V-grip) と呼んでいます。親指と人差し指がラケットの柄(グリップ)の上で「V」の字をつくるように握るのが名前の由来です。ラケットの面が床に対して垂直に近くなる持ち方で、握手をするように自然に握ることから、日本語では「イースタングリップ」「握手の握り」とも説明されます。
BWF Shuttle Timeの説明によれば、このV字グリップはシャトルが自分と同じくらいの高さにあるときに、フォアハンド側でもバックハンド側でも使える基本の持ち方とされています。まずはこの握りで、正面や横のシャトルを打てるようにするのが出発点です。
バックハンドのサムグリップ
バックハンド側で力を伝えたいときには、親指(サム)をグリップの平らな面に当てる サムグリップ(thumb grip) を使います。BWF Shuttle Timeにも「Backhand Thumb Grip」というバックハンド用の握りを扱うレッスンがあります。親指でグリップの広い面を押すことで、バックハンド側のショットに力を乗せやすくなります。
基本のV字グリップと、このバックハンドのサムグリップの2つを、場面に応じて使い分けるのが土台になります。
握り替え(グリップチェンジ)
ラリー中は、フォアに来た球とバックに来た球を、短い時間で打ち分けなければなりません。そのために、握りをすばやく切り替えるのが グリップチェンジ です。BWF Shuttle Timeには、風船やシャトルを使って握り替えを反復する「Grip Change(Tic-Toc)」のような練習が用意されており、初心者が遊びながら握り替えに慣れられるようになっています。
握り替えは、頭で考えるより手が覚えるものなので、繰り返し練習して自然にできるようにしていきます。
握る強さの考え方
握る強さについては、一般に「ふだんは軽く、打つ瞬間だけしっかり握る」と説明されることが多いです。常に力いっぱい握っていると握り替えが遅れ、手首も使いにくくなります。ラケットを落とさない程度に軽く持ち、インパクトの瞬間に握り込む、という力の入れ方を意識すると扱いやすくなります。細かい感覚は人によって差があるため、最初は指導者や経験者に見てもらいながら調整するのがおすすめです。
ネット前などで使う面をつくる持ち方
ネットのすぐ前でシャトルを押し込むときなど、ラケットの面を素早く相手コートへ向けたい場面では、面を正面に向けやすい持ち方(いわゆる「フライパン持ち/パンハンドルグリップ」)が使われることもあります。ただしこれは場面を限った握りで、基本はあくまでV字グリップとバックハンドのサムグリップです。まずは基本の2つを固めてから、必要に応じて広げていくとよいでしょう。
用具との関係
握りやすさは、グリップの太さとも関係します。ラケットのグリップサイズはG規格という記号で表され、太さによって握り心地が変わります。また、汗で滑らないようにグリップテープを巻くのも一般的で、当サイトではグリップテープ一覧を収録しています。用具をひととおりそろえる順番は必要な用具一式チェックリスト、これから始める全体像はバドミントンの始め方 完全ガイドを参照してください。