打つ前に「足」で決まる

バドミントンでは、良いショットを打てるかどうかは、打つ前にどれだけ良い位置へ動けているかでほぼ決まります。手だけでどんなに器用に打っても、シャトルに対して体の位置が悪ければ安定しません。だからこそ、足の運び(フットワーク)は基礎の中でも特に重要です。世界バドミントン連盟(BWF)の学校向け公式プログラムBWF Shuttle Timeにも、フットワークやすばやい足の動きを養う遊びが多数用意されています(BWF Shuttle Time「Activity of the Month」)。

握り方はグリップの握り方、打ち方はラケットの基本の振り方で扱っています。この記事は、その二つをつなぐ「動き」の基礎です。

ホームポジション(中央に戻る)

シングルスの動きの土台になるのが、コートのほぼ中央にある ホームポジション(ベース) です。ラリー中は、シャトルを打ったら中央に戻り、次にどこへ来ても対応できるようにするのが基本の考え方です。前・後ろ・左右のどこへ来てもほぼ同じ距離で動けるので、中央は守りやすい位置になります。「打つ → 中央に戻る」を1セットとして繰り返すイメージです。

コートのどの範囲を1人で守るのか、ラインの位置関係はコートの各部の名称とラインの見方を、種目ごとの守る範囲の違いはシングルス・ダブルス・ミックスの違いを参照してください。

構え(レディポジション)

ホームポジションで相手の打球を待つときの姿勢が 構え(レディポジション) です。一般には、足を肩幅くらいに開き、膝を軽く曲げ、かかとを少し浮かせて、いつでも動き出せるようにします。相手が打つ瞬間に軽く小さくジャンプして着地する動き(スプリットステップ)を入れると、左右どちらへも反応しやすくなると説明されます。BWF Shuttle Timeの「Happy Feet/Fast Feet」や「Statues」といった遊びは、この“止まっていても足が動ける”状態づくりにつながります。

移動の基本の足づかい

コート内の移動には、いくつかの基本の足の運びがあります。BWF Shuttle Timeのレッスン名にも登場する動きを中心に整理します。

足の運び どんな動きか
シャセ(chassé) 横方向へ、足を交差させずに素早くステップして移動する運び。ネット前への詰めや横の動きに使う
ランジ 前や横へ大きく踏み込み、最後の一歩で打点に入る動き。ネット前の球を取るときなど
シザーズジャンプ 後ろのシャトルを打つとき、両足を空中で入れ替えるジャンプ。奥へ下がりながら打つ動きにつながる

BWF Shuttle Timeには「Chasse Steps for Net Play」(ネット前へのシャセ)や「Scissor Jump」(シザーズジャンプ)といった、これらを段階的に覚える活動が用意されています。まずは一つずつ、正しい形でゆっくり動けるようにしてから、スピードを上げていきます。

「6方向」に動くイメージ

ホームポジションから6方向(前・横・後ろ×左右)へ動いて中央へ戻るイメージ
ホームポジションから前の左右・横の左右・後ろの左右の6か所へ動いて打ち、中央へ戻る

コート上で守るべき場所は、大きく分けると前の左右、横の左右、後ろの左右の6か所になります。ホームポジションを中心に、この6方向へ動いて打ち、また中央へ戻る、という往復を身につけると、コート全体をカバーしやすくなります。最初はシャトルを使わず、指導者が指し示した方向へ動いて戻るだけの練習(シャドー)でも十分に効果があります。

すばやさとバランスを養う

フットワークには、方向転換の速さ(アジリティ)と、着地でぐらつかないバランスが欠かせません。BWF Shuttle Timeにも「Agility」「Balance Exercise」「Dynamic Balance」といった、動きの土台を養う活動が含まれています。こうした基礎づくりは、ウォームアップとケガの予防とも重なる部分が多く、準備運動の中に取り入れやすいものです。

シューズ選びも動きに関わる

足を安定して動かすには、バドミントン用のシューズが役立ちます。体育館の床でのグリップやクッション性は、専用シューズと一般の運動靴で差が出ます。当サイトではシューズ一覧を収録しています。用具をそろえる順番は必要な用具一式チェックリスト、これから始める全体像はバドミントンの始め方 完全ガイドを参照してください。