先に、この記事で扱う決まりを表にまとめます。
| 論点 | 決まっていること | 根拠 |
|---|---|---|
| 回の対象 | 時間帯や回でレベル・年齢を分けている体育館がある | 巣鴨体育館・渋谷区スポーツセンター・豊島体育館の案内 |
| 指導員つきの回 | 指導員の指示のもとで行い、自由には利用できない回がある | 巣鴨体育館・千代田区立スポーツセンターの案内 |
| 用具の貸出 | 初心者用の用具を用意する体育館と、貸出が無い体育館がある | 大田区立池上小学校・山王小学校の案内 |
| 1コートの人数 | 原則8名まで。相打ちがあり、コート間の移動は禁止 | 吹田市立目俵市民体育館の案内 |
| 教え方の型 | 難易度を上下させる、混合レベルで組む、12球ずつで交代 | BWF Shuttle Time |
| 安全 | ペアの間隔、右利きと左利きの空間、落ちたシャトル | BWF Shuttle Time |
レベルを分けているのは、体育館の側
「初心者だから遠慮する」「経験者が合わせる」という話に入る前に、確かめる価値があるのは、その時間帯が誰を対象にしているかです。時間帯や回でレベル・年齢を分けている体育館があります。
- 巣鴨体育館のバドミントン一般公開は第2・第4土曜日のみで、午後①13時から15時が小学生以上・初心者にお勧め、午後②15時15分から17時15分が中学生以上と案内されています
- 渋谷区スポーツセンターは「初級・中級者バドミントン練習会」という枠で実施しており、競技を目的とした練習会と明記されています。参加費は1回400円(5枚綴りのチケット2,000円)で、初めての人は事前に主催者へ問い合わせが必要です
- 豊島体育館の個人公開は時間帯ごとに対象が分かれ、小学2年生以上の回には小学生優先コートが設けられています
自分に合った回を選ぶことが、その場で一番効く配慮です。 初心者向けと書かれていない回に初めて行くと、その回の運営(試合形式など)に乗れないことがあります。開放の探し方は個人開放でバドミントンができる体育館、レベル表記の読み方は初心者・初級・中級というレベル表記にまとめました。
指導員がついていて、自由に打てない回がある
個人開放は「空いたコートで自由に打つ」とは限りません。巣鴨体育館の個人公開は指導員の指示のもとで行い、グループで来ても自由には利用できないと案内されています。千代田区立スポーツセンターの個人開放も、指導員の指示により基本練習・ゲーム練習を行い、初心者指導もあると案内されています。
初めて行く人にとっては、この形のほうが入りやすいことが多いはずです。逆に、経験者どうしで打ち込みたい日は、指導員つきの回ではない枠を選びます。
用具が無い人がいる前提の体育館もある
大田区立池上小学校・大田区立山王小学校の体育館開放は、初心者用のラケット・ボール・ナイロンシャトルを用意していると案内されています(感染症予防のためなるべく各自持参、という但し書きつき)。一方で、レンタル品が一切なく室内シューズと道具の持参が必要な体育館もあります。
誘う側は、行き先の貸出の有無を先に確認しておくと、当日「ラケットが無くて打てない」が起きません。持ち物の考え方は用具のマナー、最初の1本の選び方は初心者のラケットの選び方にまとめています。
1つのコートに何人入るかは決まっている
混ざって打つときに効いてくるのが人数の上限です。吹田市立目俵市民体育館は、バドミントンは1コートにつき原則8名までを割り当て、1つのコートに2グループ以上を割り当てる「相打ち」となる場合があるとしたうえで、コート間の移動は禁止で、渡された札で指定されたコートを使用すると明記しています。堺市家原大池体育館の共用(個人)プログラムは「台数やコート数に限りがあるため利用者が多い時は譲り合って利用する」としています。
知らない人と同じコートになるのは、体育館の側が想定した運用です。交替と順番の決まりは体育館の個人開放でのマナーを参照してください。
教える側の型は、BWFの教本に書かれている
レベル差のある人を同じ場で扱う方法は、世界バドミントン連盟の指導者向け教本Shuttle Timeに書かれています。日本の体育館でも使える考え方です。
- 難易度は上げ下げできる前提で組む。「All activities can be increased or decreased in level of difficulty, so the content is appropriate to the level of the pupils」とされ、レッスンプランには活動ごとに難易度を上下させる「Variations」が用意されています。これが「すべてのレベルの学習者の意欲を保つ助けになる」(This will assist in maintaining motivation of all levels of learner)と説明されています
- 混合レベルのチームを組む。mixed-ability teamsは、運動が得意でない参加者にとって前向きな経験を強めると書かれています
- 役割と位置を交代する。1面のコートに3組まで入れられるとしたうえで、「Include rotations to change roles and positions」「After a set time, rotate groups on and off the court areas」と、一定時間で入れ替える形が示されています
- 交代は数か時間で切る。レッスンプランの日本語版には「一人12回ずつシャトルを打ったら役割を交代する」「12球ずつ打ったら交代する」という指示が繰り返し出てきます
球出し役をいつ交代するかを先に数で決めておくと、「気を遣って言い出せない」場面そのものが無くなります。2人・少人数での組み立ては2人でできる練習メニューと少人数での練習メニュー、初心者向けのメニューは初心者の練習メニューにまとめました。
混ざるほど、安全の優先度が上がる
Shuttle Timeの安全の項は、ペアの間隔(スイングや打球で互いに当たらない距離)、右利きと左利きが一緒に練習するときの空間、床に落ちたシャトルへの注意を挙げています。打つ人のレベルが揃っていない場ほど、この3つが効きます。 初めての人はラケットの軌道が読みにくく、周りが思う位置に立たないからです。安全の明文は安全のマナーにまとめました。
明文が無いこと
「経験者が球出しに回る」「初心者にはハーフコートを譲る」「ゲームは実力を混ぜて組む」といった、その場での配り方を定めた明文は、競技団体の規程にも公的機関の資料にも体育館の利用案内にも見つかりませんでした。この記事では扱っていません。
根拠があるのは、回ごとに対象が決まっていること・1コートの人数と交替の決まり・指導員がつく回があること・難易度を上下させる考え方と交代の数までです。始め方全体は大人から始めるバドミントン、サークルの探し方はクラブ・サークルの探し方を参照してください。